恋する事件簿【完】



「【木ノ島警察署】の山下です。
放火の疑いがあるとか」



現場に着き、私は消防士の1人に近付いた。



「おー、芽依実!」



すると、エンジンカッターを持つ、従兄の野神圭ーノガミケイーが現れた。

圭兄は叔父さんの1人息子。

私の母親に憧れて、消防士になった。

今はレスキュー隊の入隊試験に励んでる。



「久しぶり」



「本当にな。それよりアレ…臭うと思わねぇ?」



圭兄が指差したのは、火元と見られる建物のごみ置き場。



「ごみに放火。遊び感覚やな」



「――ご名答ッ!!」



…31歳にもなって、馬鹿だ、こいつ;;
< 23 / 336 >

この作品をシェア

pagetop