恋する事件簿【完】
「【木ノ島警察署】の山下です。
放火の疑いがあるとか」
現場に着き、私は消防士の1人に近付いた。
「おー、芽依実!」
すると、エンジンカッターを持つ、従兄の野神圭ーノガミケイーが現れた。
圭兄は叔父さんの1人息子。
私の母親に憧れて、消防士になった。
今はレスキュー隊の入隊試験に励んでる。
「久しぶり」
「本当にな。それよりアレ…臭うと思わねぇ?」
圭兄が指差したのは、火元と見られる建物のごみ置き場。
「ごみに放火。遊び感覚やな」
「――ご名答ッ!!」
…31歳にもなって、馬鹿だ、こいつ;;