恋する事件簿【完】
別に“鈍感”じゃない。

兄貴をシカトして、那維斗に「ねぇ…」と話し掛けると、「あの!」と言う、真壁さんに遮られた。

叔父さんの方を向いてた為、叔父さんは「何だ?」と、聞き返す。



「私、ペアは那維斗君が良いです!」



…え、無理。

私を見た叔父さんに首を振る。

変更なんて嫌。

しかも絶対、那維斗が好きだと思う。

だとしたら、100%譲れない。



「真壁は野神にしようと思ってたんだ」



「女性とですか?それはまぁ、野神さんが前警視総監のお嬢さんで、優秀とは聞いてますけど」



「“警視総監のお嬢さん”は関係ないでしょう…」



母親は私の耳元でボソボソと言う。
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