恋する事件簿【完】
第3部 ②〜新聞〜
ようやくまともな雰囲気を取り戻した刑事課。
昼休みになり、私は兄貴と那維斗に挟まれてソファーに座らされた。
…狭いんだけど;;
足を組み、背凭れに背を預けて寛いでると、「山下芽依実刑事!」と呼ばれた。
今はインタビュー中だ。
「はい」
「彼氏さんと、家族が居る職場はいかがですか?」
「働きやすいですよ」
何だか芸能人のようだ。
ただ、那維斗たちより質問が多いような…。
「刑事になって、良かった事は?」
「両親と顔を会わせる時間が増えて、仕事内容もわかって不安がなくなりました。いつも“パパは大丈夫かな?”とか、“ママは何時に帰って来るだろう”って、不安と寂しさでいっぱいでしたし。それで、この完璧ぶった兄を困らせた事もありますよ」
じいちゃんたちが居たのにね。