恋する事件簿【完】
私は那維斗のジャケットの裾を掴んで聞いていた。



「私は、貴方よりも那維斗君に見合う女なんよ。知識も美も完璧に兼ね揃えた人間なの。
この日を待ってたのに、よくも邪魔してくれたわね――ッ!!」



どうして普通に幸せにしてくれないのだろうか。

どうして私が邪魔者にされるのだろうか。

色々な気持ちを整理しようとした時、コツンコツン…と、ヒールの音がした。



「苺愛ちゃんもそうだけど、芽依実も彼氏がモテて苦労するはねー」



「…叔母さん…?」



署に入って来たのは叔母さんだった。

「よっ!」と手を上げ、何度も真壁さんを振り返りながら、階段を登って来る。
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