恋する事件簿【完】
「俺、真壁は同期としか見てへんから」



「うん…」



「芽依実、行くで」



頷きながら足を進める。



「ごめんなさい…」



背中に届く謝罪を聞きながら、駐車場へと出た。

嫌な残像が残る場所。

那維斗がふと、足を止めた。



「芽依実」



「ん…?」



那維斗を見上げた瞬間、唇が重なった。

何度も何度も啄むように。

他事を。

那維斗の事しか、考えられないような。

そんな、熱くて、苦しいキスだった。




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