恋する事件簿【完】
「不器用で、言葉足らず。
女を泣かせる天才なとこ、そっくりだわ」



「嫌な部分ばっかだな」



…心がこもってない。

いつもの事だけど。



「けど、そうでもないんだなー。
一途で、包容力は大きいのよ」



北斗と目が合うと、照れを隠すように顔を背けた。

窓から駐車場を見ると、寄り添う2人に手を振りながら走ってる苺愛ちゃんが見えた。



「私は帰るかな。これ、お父さんから」



「また苺か」



「そう。苺よ」



「あ、織姫さん!」



…足、速っ!;;

さっき駐車場に居たじゃない;;

私は驚きつつ、「じゃあね!」と、その場を去った。

人のラブラブは、邪魔したらダメだからね。



        *  *  *




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