恋する事件簿【完】
私は重い足取りで、機関員の人に確認しに行く。



「その答えは、正解だと思いますよ。炎は、蛇のように細くなって、うねる管だって進める。形を変えて、予想してない場所から現れて…厄介なんです」



私は何を見て、何を教わって来たんだか。

燃え盛るマンションを見上げ、自分の愚かさを感じた。



「山下、ちょっと」



「…うん」



難波に呼ばれて、私は車に戻った。

「主任や」と、無線を渡され、私は「はい」と、通信する。



『芽依実はこの家事をどう読む』



「放火」



『…先月の火災を覚えてるか?』



…先月…。
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