恋する事件簿【完】
「1分…57…56…」
課長がカウントする声。
私は両手でペンチを拾った。
『赤を切れ』
「“赤”…?長いのは緑だけど…」
『えぇから切れ』
間違えたら、課長たちを巻き込んでしまう。
…出来ない…。
逃げた方が、良いんじゃないだろうか。
「40秒…」
『切るんだ芽依実』
「でも…でもっ…」
『お前が切らな、みんなはどうするんや――ッ!!!!』
…―――っ!!
電話越しに那維斗にキレられ、目が覚めたようにハッとした。
…やらなきゃ…。
切らなきゃ…。
課長がカウントする声。
私は両手でペンチを拾った。
『赤を切れ』
「“赤”…?長いのは緑だけど…」
『えぇから切れ』
間違えたら、課長たちを巻き込んでしまう。
…出来ない…。
逃げた方が、良いんじゃないだろうか。
「40秒…」
『切るんだ芽依実』
「でも…でもっ…」
『お前が切らな、みんなはどうするんや――ッ!!!!』
…―――っ!!
電話越しに那維斗にキレられ、目が覚めたようにハッとした。
…やらなきゃ…。
切らなきゃ…。