恋する事件簿【完】
「アーチ状になってる。左から見て、赤・青・緑」



「長さが一緒」



これは、私には絶対、解除は出来ない。



「兄貴、北斗が“青は切るな”って」



「4年前は緑だぞ?普通、緑を切らないだろ」



「警察を、試してるって、主任がわかったからじゃないですか?」



那維斗の言葉に、私たち3人は顔を見合わせた。

叔父さんは、赤の線を躊躇わずに切る。



「犯行声明を聞かなくてわかるの?」



「なら、聞くか」



那維斗は電話を手にし、録音されたテープを再生させた。

早送りを繰り返し、予告を探す。
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