恋する事件簿【完】



地下鉄の入り口は、倒れた人、気持ち悪さを訴える人たちばかり。

母親と那維斗、そして私は、叔父さんから防護マスクを受け取った。

二次災害を避ける為、父親たちも、消防から渡された、特別なマスクをしてる。

叔父さんと母親の後をついて行けば、まだ地上を目指す人たちが多数いる。



「電車は止めたな?」



「北斗が今、頼んでる」



ホームには、薄いけど、白い煙りが見える。

母親が、先に来てた消防の人たちに、話を聞きに行く。

圭兄が居たのか、話はスムーズそう。

私たちは1両目に入り、煙りが出てた原因のモノが入った小さなバケツを覗いた。
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