恋する事件簿【完】
「兄貴…!!」



母親が列車に乗り込んで来た。



「これをバケツに入れたの、犬飼さんなんだって…。煙りが出てたから、通子さんが入れたら、更に煙りが増したみたい…」



「2人は?」



「呼吸困難を起こして、今、ドクターカー(医者が乗って来る救急車)で運ばれてるみたい」



恐怖を感じて、叔父さんと母親を見て固まる私。

那維斗はしゃがみ、手袋と、用心してか、その場に落ちてたハンカチで、10センチ程のボトルを掴んだ。



「この家紋。どっかで見た事で」



那維斗は遠くを見つめて考える。
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