恋する事件簿【完】
私は携帯を返して貰い、署に残った兄貴に電話をする。

【阿笠組】がこの事件を起こさなかった理由が、わかる気がした。



「兄貴!進は!?」



やっと出た兄貴に叫ぶ。

兄貴は「連れ出された…」と言った。



「やられた…」



力なく言った私に、父親は「何だと?」と、振り返って来た。

叔父さんと父親だけが持つトランシーバーで更新を始める。



「北斗です。難波と苺愛を寄越して下さい。坂田と芽依実を含めた4人で【阿笠組】に緊急逮捕に向かいます」



私は父親と先に車に戻った。



「進…許さない」



一発、殴りたい。
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