恋する事件簿【完】
『こちら本庁・指令センター。直ちに向かわせる。銃の使用も可能とする』



一度、外してたパトランプをボンネットに乗せれば、父親はスピードを更に上げた。

赤信号を通過する声明をし、ただ前に進む。



「兄貴、聴こえた?」



本庁に通信しても、声は聴こえるようになってる。



『あぁ。出迎えの準備は任せろ。搬送バスも向かわせた』



「ありがとう」



分厚い雲が空をゆっくりと進む。

雪が降りそうな感じ。

寒さなんてない。

私たちにあるのは怒りだ。

先に来てた所轄のパトカー5台が、【阿笠組】の建物を包囲してる。
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