恋する事件簿【完】
寒い中、歩いて来た那維斗の方が、体が冷えてるのはわかる。

けど、私も寒いわけで。

でも、「那維斗が来て」と言った私は、我慢した。

次は本当に怒られそうだから。



「守優さんも、夜はここで飯?」



「さぁ。ニヤニヤとしながら出勤したし、変な想像して実家に行くんじゃない?」



…って、忘れてた。

パパっと立ち上がり、キッチンに那維斗の分に残してた朝食を取りに行く。

レンジで鮭や卵焼きをチンしてる間に、お味噌汁を温める。

冷蔵庫に残ってた筑前荷やひじきも小鉢に盛って温め直す。

ご飯とお味噌汁もよそい、おぼんに乗せると、自分や兄貴の朝食より豪華で苦笑。
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