恋する事件簿【完】
「暇だし行く?」



「えぇけど」



那維斗はもう食べたのか、キッチンに茶碗を下げに行く。

私もついて行き、那維斗が自分で洗った茶碗を拭いて行く。



「家庭的なんだね」



「結婚したら、お前の仕事やろ」



「言うと思っ……今、那維斗…」



私は隣を見上げた。

那維斗は「終わった」と、手をタオルで拭い、ダウンジャケットを取りに行く。



「もう行くで」



「照れなくても良いのに」



私は口元を緩めながらお皿を食器棚にしまって、部屋にコートを取りに向かった。




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