恋する事件簿【完】
父親が鬼の形相で、那維斗の襟首を掴んだ。

ソファーに無理矢理、座らせ、「説明しろ」と言う。

母親は満面の笑みだ。



「昨日プロポーズをして、OKを貰いました。主任…お義父さんにはまた改めて、挨拶に伺います。両親も紹介します」



「…お義父さん…」



父親が何かを思い出したかのように呟いた。

お祖父様だろうか。

おばあ様によれば、“結婚させて頂きました”と、自身の義理の兄である千葉ちゃんの手違いで入籍が早まり、挨拶の言葉がおかしくて、“北斗君は帰化した外人か?日本語がおかしいぞ?”と、異国民の扱いをされたらしい。
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