恋する事件簿【完】
「許可を頂けますか?;;」



「ん…」



父親は一点を見つめたまま立ち上がり、ため息を吐いた。



「俺は純粋な日本人だ。日本で生まれた」



…わかってるよ;;

“純粋”とは言い切れませんが;;



「北斗ー、大丈夫?;;」



母親が声を掛けても、魂が抜けたようだ。

フラフラとどこかへ行ってしまう。

ーードンッ

カウンターにぶつかってもリアクションなし。



「重症、だな…」



一番、原因となった叔父さんは、不思議そうに言うだけ。

兄貴は「馬鹿…」と叔父さんに暴言を吐き、父親を追い掛けた。




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