恋する事件簿【完】
「警察になる時、かなり迷いました。けど、見てみたかった。両親が何をしてるのか。
祖父が、30年も警視総監として、見守り続けた場所を」



「ご家族をよく見てるですね」



「両親がそうだったから。
性格が父親に似てるのか、人に冷たいイメージを持たれる。それでも良いと思えたんです。
大切なのは、一番に家族です。
大切なモノを愛せる人間であれば、刑事として人を守れるし。
何か、意味わからないですよね…」



…何、言ってるんだか。

「すいません」と謝る私に対し、鈴木さんは「気持ちは伝わりました」と、笑ってくれた。
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