恋する事件簿【完】
「では1枚、いきまーす」



カメラマンさんの合図に、私は表情を引き締めた。

叔父さんはニヤッとした笑みで、恐ろしい。



「兄貴じゃ被写体が悪いんじゃない?」



母親は正直に言ってしまった。

叔父さんは口角を上げたまま、母親を見た。



「北斗よりイケてるだろ?」



「黙って撮られたら」



…キツッ;;

母親の“何で兄貴なの!”と訴える目は世界一、恐ろしく、叔父さんと私は苦笑してカメラを見る。



「笑顔が固いですよ?;;」



「仕方ないです;;」



「妹が怖いので;;」



…あ…。



「何か言った?」



…叔父さんの馬鹿!!;;

母親は眉間にシワを刻む。

私は叔父さんの脇腹に肘を入れ、何とか笑った。




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