恋する事件簿【完】
第3部 ⑨〜悪夢〜
取材を終え、私は遅れて昼休みに入り、銀行へと来た。
財布の中に2千円しかなくなってしまったから。
ATMの利用者は少なく、前に2人しか居ない。
≪空いてるから、5分もしたら帰るよ≫
那維斗にメールを送って時間を潰した。
すぐに順番も来て、私はちゃちゃっとお金を降ろして帰る事に。
しかし、目の前を黒い大きな鞄を持った、サングラスをし、ニット帽を被る男が1人、通った。
…怪しい…。
携帯を構えて、横目で様子を見守る。
ーーパンッ
「金を出せぇーっ!!」
…やっぱり。
私は通話ボタンを押し、刑事課に直接、連絡を入れた。