恋する事件簿【完】
『【木ノ島警察署】だ。ここは包囲した。大人しく出て来い』



入り口のガラスの向こう側には、メガホンを片手に持つ叔父さんや両親たちみんな居る。

私は「観念しな」と、銃の引き金を引いた。



「諦めるか――ッ!!」



ーーパン…ッ

男は私の顔スレスレの所に発泡。

驚きも逃げもしない私に、男は「クソッ…」と漏らす。



「みんなを解放して」



「突入をさせないならな」



「それは無理なんじゃない?」



首を傾げた私に、犯人は舌打ち。

舌打ちをしたいのは私だと言うのに、ビビったりキレたり、何様なんだか。
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