恋する事件簿【完】
私は隙がなかなか見当たらない為、一歩だけ近付いてみた。

犯人はそれに合わせて一歩、下がった。



「何で強盗を?」



「……」



「お金に困ってるとか?」



「……」



…はぁ。

これじゃあ陽が暮れる。

それに後4日で今年も終わり。

そんな時に、こいつは何をしてるんだか。



「今ならまだ、罪は軽いけど?」



「馬鹿か!いざとなれば、お前らを全員、殺して逃げきるわ――ッ!!」



「へぇ…」



やれるもんならやれば良いし。

私にはそれしか思えなかった。




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