恋する事件簿【完】
 *  *  *
―那維斗 SIDE―



芽依実の電話で駆け付けた木ノ島銀行。

…何であいつが…。

あの日と似た光景に、俺はジッと見てる事しか出来ない。



「苺愛、どうする」



課長が野神刑事を見る。

主任が「芽依実に任せるか?」と言えば、真壁が「SATを呼びましょう!」と言う。



「“SAT”?小規模な事件では無理だろ」



坂田さんがそう言えば、由良さんも「そうね」と頷く。

下手に狙撃も無理だ。

しかもこのセキュリティの行き届いた銀行の自動ドアのガラスは、この手の銃弾は跳ね返す。
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