恋する事件簿【完】
「……」



「……何か喋ったら?」



無言だと、嫌なんだけど。

チラチラ見て来るくせに。



「話題ないやんけ」



「まぁ、そうだけどさ」



お粥を食べ終え、私はキッチンに行き、洗い物をしがてらお湯を沸かした。

コーヒーを淹れて、難波に渡して、体温計で熱を計る。



「38.2℃」



「薬飲めば大丈夫やな」



「下がらなくても、行くけどね」



体温計をチェストにしまうと、携帯が鳴った。

「鳴ってるよ」と、難波に声を掛ける。



「お前やろ」



けど、違ったみたいだ。
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