恋する事件簿【完】
兄貴から離れ、キッチンでうがいをし、歯ブラシもそのままにして、部屋に戻った。

着替えをそそくさと済まし、難波と目も合わさずに、朝食を済ませて家を出た。

愛車のキューブで、事故を起こさぬように、動揺したままの心を落ち着かせながら走る。



「着いた…」



到着したのは、いつもより20分は早い。

車の中でも時間を潰そうにも、やる事もない。

私は裏の駐車場から、表玄関に回った。

…今日も無事に済みますように。

ーーキキィー…ッ

そう願った瞬間、署の前で、玉突き事故が発生。



「危ない――ッ!!!!」



誰かが叫んだ刹那、事故を避けようとした車が敷地内へ。
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