恋する事件簿【完】
「さっき難波に確認したら、居眠り運転をしてたらしい」



叔父さんは母親の隣に屈み、携帯を取り出した。

署長に連絡を入れるようだ。



「芽依実、もう大丈夫ね?」



母親がこちらを見る。



「苺愛、消防に連絡だ!車2台からガソリンが漏れてる!」



私が“大丈夫”と言おうとした瞬間、父親が叫んだ。



「了解!!」



母親が返事をする中、深呼吸をし、私は事故に巻き込まれた通行人の人々に駆け寄った。

ざっと見渡し、母親に怪我人のおおよその数を伝え、救急車も手配させた。

自力で歩ける人を、敷地内に案内。
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