恋する事件簿【完】
そんな時、他の事件も入った。



「山下刑事っ!!木ノ島高校で、小火(ボヤ)の通報が――ッ!!」



生活安全課の課長が、電話を取ってくれたのだろう。



「兄貴!難波!木ノ島高校!」



「わかったー」



兄貴が手を上げる。

私は仕事用の車でありながら、常に鍵を持ち歩いてる父親から借りて、出動する事にした。

駐車場に走りながら難波に投げ、車に乗り込んだ。



「まだ8時前に、おかしいな」



後部座席に乗りながら言う兄貴に、私は「内部の人間かな?」と訊く。

「だろうな」と返され、無線で警戒を張らせた。
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