恋する事件簿【完】
2人の目の前で。
妹や彼女が…。
私は言葉に詰まった。
「守れなくて、もうあそこには居たくなかったんだろうね…。
それで、洸朔君は難波さんの移動について来たみたい」
「そうだったんだ…」
妹さんの死は、私としても、同じ警察官としても悔しいモノ。
なのに…“あのキスは?”と思ったり、速水が前に“親友でも”と言った言葉に対しての意味もわかった。
頭の中が、ごちゃごちゃしてしまった。
「山下さん…?」
「はい…」
「洸朔は、ちゃんと刑事として、出来てますか?」
「はい」としか、言えなかった。
違ったとしても、“いいえ”とは言えない。