恋する事件簿【完】
「内緒にして下さいね」と言う速水のお母さんと、映子を見送り、しばらく呆然と立ち尽くした。

目の前で兄貴を撃たれたとしたら…。

私は身震いし、考えるのをすぐに止めた。

課に戻ると、「サボり過ぎ!」と、母親に怒られる。

サボってたわけじゃないけど…まぁ良いや。

否定するのも面倒。



「芽依実」



「はい」



叔父さんに呼ばれて、立ち上がった。

「コレ」と渡されたプリント。



「再試験…」



「“再試験”?」



渡されたのは、3ヶ月前に行われた、爆弾処理の講習で受けたテストの結果。
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