恋する事件簿【完】
酸欠からか、フラフラとする頭。

…助けないと…。

意識を強く持ち、階段を目指した。



「マ…マ……」



男の子が声を出した。



「すぐに、会わせてあげるよ…」



お母さんに会えたら、元気になるよね。

やっぱり、私が助けないと。

階段を登り切り、出口までもう少し。



「…催涙スプレーじゃない?」



「えぇ。地下の研究室での実験ミスらしいです。静電気では大丈夫みたいですが、まだ研究室には火が…」



「退避だ!警察官や被害者を素早く退避させろ!!」



…圭兄…?

私は叫ぶ声に聞き覚えがあった。
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