恋する事件簿【完】
「引火したら、爆発するぞ」



圭兄の低い声が遠ざかる。



「圭兄…」



思った以上に、体が限界に来た。

私は圭兄の名前を何度も呼んだ。

…この子は助けないと…。



「難波…」



私は難波になら聞こえると思った。

助けを呼ばないと。



「難波…難波ぁー!!」



…助けて。

この子を助けて。

お願い。

お願い、難波。

私だって、死にたくないけど。

でも、幼い子を死なせれない。



だから…。



「那維斗ーーッ!!!!」



助けて下さい…。




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