何度も…何度でも君に恋をする
今の気持ちを掻き消すように角を曲がった。


私が来ないのを美桜はきっと下駄箱で待ってるはず…。



1組から順に並ぶ棚を歩いて自分のクラスに着いた。

美桜は靴を履いて立ってる。


「美桜……」

「華凛ー?早くしないと遅刻…………どうしたん?何かあった?」


さっきと様子が違う事にすぐにきづいたのか、怒り顔が一瞬で心配そうな顔に変わる。

怪我した事を説明しようとしたその時……









頭の上から彼の声がした。




「そこの曲がり角でオレと衝突してん…。華凛ちゃん後ろに吹っ飛んだ拍子に手首ひねったみたいやから…………悪いけどみぃ……担任に保健室行ったって言っといてくれへん?」


すごく自然に…。

昔からの延長みたいに…、私の前で……“みぃ”って…呼んだ。





それは…、奏くんに美桜を好きだって聞いてから初めての出来事。


私だけじゃない。

目の前の美桜が1番びっくりしてるかも…。


目をぱちくりさせて心臓がドキドキしてるのがわかる。
私にまで…伝わってくる。



「あっ…、えっ……そっ…そうなん?……華凛大丈夫…?…あの…あれやね…、先生にはあたし言うとくから…ちゃんと看てもらい…」

「…………うん………」




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