何度も…何度でも君に恋をする
ごっちゃんに湿布と包帯をしてもらった。

ぷっくりした血色の良い指があっという間に手首を固定してくれる。


びっくりした事に、それだけですごく楽になった。




「君は…?どこか怪我してへんの?」

「あー…、オレは………」

「あの!胸の辺りにぶつかって……私めっちゃタックルしてしまったんで…奏くんこそちゃんと看てもらって…」



奏くんが帰っちゃう気がした。

今は一緒にいたい……そう思ったの。


ずるくて嫌な私。







「じゃあさ、この時間休んでええ?…オレも胸ほんまに痛いし、華凛ちゃんも体育祭の練習やんな?この手首じゃ出来ひんやん?

頼むわごっちゃんー!」

「あらー、さっきまで痛いなんて言わなかったやん?フフッ…調子ええねぇ…」



笑いながらごっちゃんは紙に何かを書いてる。

走り書き…?



「…よしっ……ほらこれに記入して」


2枚の紙を私達の目の前に突き出してきた。

奏くんと目だけ合わせてそーっと紙に書いてある文字を読んでみたら……




「手首の怪我と軽い脳震とうの為保健室で休ませます…、女生徒と衝突して軽い脳震とうの為保健室で……ごっちゃん…、今日も美人やで」

「何いきなり態度変えてんねん!くだらん事言ってないでクラスと名前記入しなさい」


私が目で読む前に奏くんが声に出して読んでくれた。



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