何度も…何度でも君に恋をする
時間で交代制なんだけど……


「華凛ちゃん遅かったなー…、あと少し早く来てれば…」


仲良しのマイカがエプロンを手渡してきた。

訳がわからないまま美桜にエプロンをかけられていく。


一応私としてはデコレーション係を希望してたんだけど…。



「デコ係?…遅く来て何言うてんねん。そんなんとっくに満員やで…?」

「えーーっ!じゃぁ何が残ってるの?」

「焼く係に決まってるやん!早く焼かないと交代させへんよー!!」

「うぅっ……」



渋々プレートの前に立ってクレープの種を広げた。

人数がいるから余計に熱気で汗が出てくる。
もあっとした空気が顔に上がってきて1歩後ろにたじろいだ。


「焼きなんて1番大変やん…マイカってばずるいわ……自分はデコ係やってさ…」

「…クスクスッ……」


小声で文句を言ってたら隣から笑い声がした。


「蓮見さんやりたなかったん?」

「…うーん………うん…」


私の返事を聞いて相手はまた爆笑してる。

だって、ただ焼くだけなんてつまらな過ぎるよ。
デコレーションだったら友達が来たら「クリーム多めね」とか出来るのに…。



「委員長も交代時間までに来なかったから焼きなん?」

「いや、俺は……」



プレートから立ち上がる熱さで委員長の黒ぶち眼鏡が曇った。

委員長は慣れた手つきで曇りを拭いてまたすぐにかけ直す。


「俺は…、誰かがやらなあかんから一応な」



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