何度も…何度でも君に恋をする
新ちゃんと美桜を残して少し離れた場所に来た。

ここなら2人に会話は聞こえないよね…?




「もうっ!いつまでもそんな態度じゃあかんやん!せっかく一緒に回るんやから…、いい加減仲直りして、元の2人に戻らんと…」

「…やっぱりそれが目的か……。悪いけど余計な事せんでええから。華凛ちゃんには気持ち言うたけど…、取り持ってほしくて言うたんちゃうねん」


いつもの優しい瞳じゃなく…、厳しい……拒絶するような瞳。

奏くん……、怒ってる。




「……好きなくせに……」

「…はっ?」

「まだ好きなのわかるから…、素直になってほしかったんやもん。…………もう………奏くんなんて知らん!1人で勝手に拗ねてればええねん!」



私の倍はある奏くんの体を押して新ちゃん達の所に戻った。

私がぷりぷり怒ってるのを見ても美桜は何も聞いてこない。

新ちゃんなんて「何キレてんねん…、お腹空いたんか?」……って…。


新ちゃんが鈍い人で本当に良かったよ。






3人で廊下を曲がって階段に差し掛かった時…


「オレも行くっちゅーねん……。華凛ちゃんお腹空いてイライラしてるみたいやからみぃ…何か買ったってや」




私の方をちらっと見てすぐに目を逸らされた。

素直じゃないけど…、でも……、来てくれた。





それにしても新ちゃんと言い奏くんと言い…、私を食いしん坊みたいに言わないでほしい…。


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