何度も…何度でも君に恋をする
パンフレットを見て辿り着いた体育館では、外からでもわかる位のギターとドラムの音。


今流行りの歌を歌ってて、それに乗ってる生徒達で床が揺れてるみたい。




顔の広い新ちゃんのお陰でステージに比較的近い場所に通してもらえた。

女の先輩が親しげに新ちゃんに話し掛けてきて、品定めするみたいに私を見る。


「新平くんの彼女?」

「これ…?そんな訳ないやん。こいつはー…、俺のペット」

「はい?…何で私がペットやねん!」

「……なっ?彼女って感じゃないねん」



2人して笑いながら話してる。

こういう風に放っとかれるとさすがに虚しくなるんですけど…。


むっとして新ちゃんから離れようとしたら人の波に押されて……




潰される…!って思った瞬間、ぐいっと手を握られた。

繋いだ先の顔を見上げたら……、新ちゃん。




「チビ……」



そう言われて頭を叩かれた。

ペットって言ったり優しくしたり…。



本当意味わかんないよ。





繋いだ右手はそのまんま。

外すのも失礼かな…?って思って、私からは離せない。



でも…、奏くんには見られたくなくて……。


そっと繋がった部分を隠した。







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