何度も…何度でも君に恋をする
軽音部の演奏が終わったと同時に新ちゃんに手を引かれた。


「暑い……何か食いに行かん?」

「おお、出ようや」


新ちゃんが先頭を歩いて道を開けてくれる。

チビな私を庇うみたいに、壁側を空けながら守ってくれてるみたい。


なんか…。急に女の子扱いされるとどうしていいかわからなくなる。

新ちゃんとか奏くんとか。


女の子慣れしてる人からすればこんなの普通の事かもしれない。

でも手を繋いだり、人の波から守ってくれるのって……。



普通の事なのかな…?



そんなもんなのかな…。












「華凛……」

呼び止められて振り返ったら美桜だった。

奏くんはいつの間にか新ちゃんの隣を歩いてて、私達の手も離れていた。



「何…?どうしたん?」

「………あの…、色々……ありがとうって…言いたかってん…」

「あっ……あー…、何かごめん。もしかして余計な事したかもって思ったんやけど…」

「さっき…な………華凛に怒られるからもうこんなのやめようって言われてん…」

「うん……ごめん…」

「…あたしの方こそ……ごめん…。あたし何もないって嘘ついたのに……、華凛……知ってたんやね……。ほんま…ありがとう…」




やっぱり……。


美桜は…みんなのお姫様みたい。




美人でしっかりしてて、華があって…それでいて優しい。


奏くんが好きになる訳だよ。

私なんか……太刀打ちできない。




敵わない………。









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