何度も…何度でも君に恋をする
「華凛ー。3階のどこやって?」



階段の踊り場で新ちゃんと奏くんが待ってた。

今にも泣いてしまいそうな塊をぐっと飲み込む。


「…今行く!……美桜も行こ。私のお菓子食べてくれる約束やん」



泣くな……私。

堪えろ……私。





家庭科室の前で販売されてるクッキーとプチケーキを3人に配った。


「華凛めちゃめちゃ上手に出来てるやん!」

「まぁー…そうやな。…美味そうに出来てるな」


美桜と新ちゃんが褒めてくれて嬉しかった。

でも………









「オレ帰って大事に食べるわ……。めっちゃ美味そうやなぁー…」


私を1番喜ばせるのは、やっぱり奏くんだったね…。


奏くんが言った一言がどんなに胸に残ったか。

知らなくていいから……。




私の甘い味なんて…忘れて…。



きっと、このお菓子を作る度に私は奏くんを思い出すけど。

奏くんの…その笑顔を思い出す。




そしてその度に………













泣きたくなる…。







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