何度も…何度でも君に恋をする

奏くんと美桜は私を挟んで立っている。

燃え上がる火を眺めながら…、誰1人として話さないこの場所は。


苦しくて。


切なくて。







炎の揺らめきに瞼を閉じたら、涙が込み上げてきた。




「あっ!美桜、奏くんごめん!!私部活の片付けやらなあかんの忘れてた!…ちょっと行ってくるね」


2人の返事も聞かずに校舎に向かって走った。

ただ…、走り続けた。




だって、あの場所にあれ以上いれない気がして。


逃げ出すしかできなかった…。






「華凛っ!!」


後ろで美桜の声がしたけど…

「ほんまごめーん!あれやったら先帰ってー!」


大きく手を振って……、もう後ろは振り返らなかった。




っていうか、振り返れなかった。

走っても、走っても、涙が出てきてとまらなかったから……。



喉が焼けるように苦しいよ。

今の私は…、逃げる事しか出来ない弱虫。





恋を知って……





恋から……、奏くんから…。


目を背けてしまった。





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