何度も…何度でも君に恋をする
「マスター…、えーっと…あたしアイスカフェモカ。華凛ちゃんは?」
「私は……アイスキャラメルラテ」
「それと…おすすめケーキ2つね」
「はいよー…」
木目調のテーブルに一輪挿しが置いてあった。
砂糖と塩の隣にはブルーのガラスコップに入ってるビー玉達。
テーブルとテーブルの間には大きめの観葉植物が置いてあって横に座る人との境界線を作ってる。
白髪の混じった髪を後ろで結んだ、少しワイルドなこの男性がここのマスターらしい…。
「なんか…私みたいな子供が来たら場違いやね」
雰囲気が大人過ぎて少しだけ居心地が悪い。
キョロキョロとする私に反して落ち着いた様子の琴美さんは……、やっぱり大人なんだなーって感じた。
「フフッ…、そうやね。華凛ちゃんみたいな若い子はもっと明るい感じの場所に行くんやない?」
「うん…、こんなオシャレで大人っぽい場所来た事ないわ」
尚もキョロキョロする私を見て琴美さんはクスクス笑ってる。
「お待たせ……。琴ちゃん今日はずいぶん若い子連れてるねんなー」
私達の前に飲み物が運ばれてきた。
キャラメルの甘い匂いが漂ってきて優しい気持ちにさせる。
マスターと親しげに話す琴美さんは私を指差して……
「慶一郎さんの子やねん。目なんかそっくりやと思わへん?」
そう…、優しげな瞳で見つめた。