何度も…何度でも君に恋をする
「そうなんや!いつも慶一郎くんには良くしてもらってるねん」

「…お父さんを知ってるんですか?」

「華凛ちゃん…、この店な……あたしと慶一郎さんが待ち合わせ場所に使わせてもらってるとこやねん…」


琴美さんが恥ずかしそうに話し出した。

頬をほんのり赤くして運ばれてきたカフェモカをぐるぐる回してる。


本当に…、女の子みたいな人。




「慶一郎さん最初…お茶もしてくれへんかったんよ。…フフッ…、でもあたしがしつこくてな。1回だけ……そう言って来たのがこのお店」

「……そう…だったんや………」

「華凛ちゃんやって……あの男の子に恋してるやろ?」



いつの間にかマスターはカウンターに戻っていた。

琴美さんと私の会話を聞かないようにしてくれてるみたいで……、そこがまた素敵だな…って感じてしまう。


「でぇーーっ!!…なっ、何で?……いや、でも…う…ん………。そう…やねん……誰にも言ってないねんけど…」

「…そう?……あたしホテルで会った時すぐわかったわー。だって……フフフッ……」

「…なにー…?」



意味深に笑ったままカフェモカを一口飲んだ。


「あの時2人…お手々繋いでたやん。……華凛ちゃんの顔見たら、好きなんやー…ってわかった」

「…ンゴホッ、ゴホッ……ちょっ、えっ…。見えてたん?」

「アハハハハハッ、あたしの場所からばっちりな!」


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