何度も…何度でも君に恋をする
「もうこの辺で大丈夫…?」
「大丈夫やって!雨降りそうやん!!帰ろ、帰ろ」
「じゃあ私先生に言いに職員室行ってくるから玄関行ってええよ」
「あっ、そんならあたし華凛来るまで教室で待ってるわ。マイカ達先行ってええよ」
清掃表を持って玄関に向かうマイカ達と教室を出た。
職員室は廊下の端っこでうちのクラスからだと1番遠い場所にある。
「じゃー、玄関で待ってる」
「あっ、マイカ!雨降りそうやし先帰って。私も美桜もすぐ追いかけるから…」
「ほんま…?じゃあ……先行ってる…」
マイカとミサに手を振って職員室までの道を走った。
途中…、“廊下は走らない”ってポスターが目に入ってしまって。
小心者の私は早歩きになる。
「…走ってないねん……早歩き…早歩き……」
やっとの事で半分まで行きかけた時、階段から覗く人影が見えた。
「コラーーッ!走るな!!」
「はっ、…はぃぃいいい!!ごめんなさい!早歩きです!!」
ぎゅっと目を閉じて立ち止まった。
トン、タタン……ってリズミカルな音を出して階段を降りてくる先生。
………先生……?
そーっと目を開けたら、ニヤって笑う奏くんが立っていた。