何度も…何度でも君に恋をする
「ほーんまに騙されやすいな華凛ちゃんは…アハハッ……早歩きですって何やねん!」
「奏くん!もーっ、ほんまにムカつく!!」
声を出して笑う奏くんは私の頭をポンポンって2回叩いた。
その瞬間……、胸のずーっと奥の方が熱くなる。
ドキンって早鐘が響いて思わず下を向いた。
「奏くん……こんな遅くまでいたん…?」
「新平がな…居残り学習やってんねん。オレこう見えて何気に頭ええから先生してたんやけど…。華凛ちゃんは?まさか居残り学習…?」
「ちっ、違いますー!私は…その……友達とふざけすぎて…居残り……清掃…」
「…ブフッ……ほんまになー…、相変わらずおもろい理由やな」
奏くんの中の私の印象って…。一体どうなってるんだろう。
面白い子…?ちょっとおバカな子…?……これは認めたくないけど、天然とか…そんなイメージなんだろうな。
「これからジュース買ってくるけど飲む?」
「ううん平気!先生に終わった事伝えに行かなあかんし、教室で美桜も待ってんねん」
「…ふーん……そうなんや……」
「うん!」
「……じゃ、頑張ってな!多分しぼられると思うけど、先生の言う事よーく聞くんやで」
「はっ!そうやん!!私1人だけ怒られるんや!」
ひらひらって手を振って奏くんは行っちゃった。
後ろ姿でも笑ってるのがわかる位、クククッて声が聞こえる。
「あかん…気が重くなってきた……」
さっきの奏くんの言葉で急に沈んだ気分になる。
行きたくないと叫ぶ体を奮い起こして職員室の扉に手をかけた。