何度も…何度でも君に恋をする
真ん丸な瞳で私を見る美桜。

ザーッて雨の音だけしか聞こえなくて3人の間には…異様な……言葉にならない空気。






最初に破ってくれたのは奏くんだった。






「邪魔なんて全然…。華凛ちゃんが来るまで話してただけやし。……久しぶりの同級生と話すからほんま緊張したわ」

「…同級…生?」

「そっ。オレと高橋は中学が一緒やねん…まぁ、あんまり話した事ないねんけど……」




机に腰かけてた奏くんがピョンって降りて「あげるー」……って言いながら、イチゴ牛乳を頭に乗せていった。


私が感じた空気は気のせいだったのかな…?

なんか…、2人を包むものがあった。


イチゴ牛乳を持ったままいつまでも振り向けない私に、

「華凛遅すぎー!いきなり奏くん来るからめっちゃびっくりしたやん!!
あんなかっこいい人対応出来ひんわ」


何でもなかったような声で美桜が話し掛けるから、私も普通にするしか出来なくて…。

「あっ…ごめん、違うねん!斉藤先生にミサの分まで怒られててん…」

「そうなんやー。明日ミサの事怒ったらなあかんね!…じゃー、帰ろっか」




2人で正面玄関に回ったら雨は弱くなっていた。


小雨の中を美桜と相合い傘で帰りながら私の頭の中には……。




教室での光景が…繰り返し映し出されて止まらなかった。





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