何度も…何度でも君に恋をする
「夏休みの予定!華凛ってしっかりしてるようで案外抜けてる所あるんやね」

「そうやねん、アホちゃうか?」

右隣に座る美桜が笑いかけてきた。
私を挟んで新ちゃんと意気投合してるし…。


「ちょっと!私の予定聞いてよー?!…んっと、とりあえず夏休み後半は平気やけど…」

「何やねん後半はって…。前半はもう予定でもあるんか?」

「まぁ……一応…」

「何や…?海とかやったら付き合ってやってもええよ」」

「違いますー!……ええやん、私の予定なんて何でも」

「そっ……」

「はーーい、注目!!」



しつこく聞いてくる新ちゃんから助けてくれたのか、タイミングよく小春ちゃんが遮ってくれた。


夏休みの事…、あんまり人には言いたくないんだ。
私でさえまだ戸惑ってる。

こんな状態で誰かに問い詰められたら…、まだ……私が私でいられなくなる。



「夏休み後半に花火大会があるんやけど、それみんなで行かへん?
強制じゃないから考えといてな」

小春ちゃんの言葉に顔を上げた。

花火大会かぁ…。毎年小春ちゃんと行ってたから。

今年はどうしようかと思ってた所だったんだ。



「華凛ちゃん行かへんの?」

突然の奏くんの声にびっくりした。
これも定番と化した私の前の席でにっこり笑う彼。


「え…?………あー…私は………」

「行こうや!花火…一緒に見たらええやん!!」







神様……


この人は本当に何も考えてないのでしょうか。


そんな思わせぶりな事言うなんて…ずるいよ。




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