何度も…何度でも君に恋をする








「奏くんの好きな人って……美桜…?」

「…………」


無言で何も話さないけど、それが答えって事だよね…?





そう考えると全ての行動に納得がいく。


遠足で初めて話した時…。

美桜が目眩がしたって言った時、私と目が合ったよね。


食堂で新ちゃんと喧嘩したって勘違いした時も…。

美桜が緑化委員で急に来られなくなった…って言った後だった。
今思えばあの時奏くんが言った「なんっだ…それ……」って言葉の意味も繋がってくる。


イチゴ牛乳を届けに来た時の不自然な2人。

教室で話してた時の違和感…。












どうして気づかなかったんだろう………。


奏くんが見てたのは…、初めから美桜だった。





私をかまってくれてるなんて一瞬でも思った自分が恥ずかしい…。







「……華凛ちゃんにだけは…気づかれたくなかったんやけどな……」


寂しそうに呟いた声を私は聞き逃さなかった。


奏くんのそんな姿を見る度に胸の痛みが加速していく…。




苦しいよ…。


呼吸する部分が狭くなった感じ。


落ちていく夕焼けと奏くんの横顔が重なって…眩しくて見えない……。




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