何度も…何度でも君に恋をする
でもアイツは……




そんな俺の価値観なんて見事に打ち破ってきた。


俺と奏がからかってても本当に純粋さが伝わってきたし、男慣れしてない…ってのがかえって俺に好感を与える。



俺の周りの女とは違う…。



初めての感情に戸惑っていたんだ。









なのにアイツは……。







「なぁなぁ、今日プール行かへん?」

夏休みが始まって数日。

家が近い大地は暇さえあれば俺の家にやって来る。


小学生の頃からの習慣か、俺が荒れてた時なんて毎日来てたからかな…?

居るのが自然になっていた。


「…プールなぁ……暑いのに人混みの中行くのダルない?」

バニラバーを加えながら俺はマンガに目を通していた。

今年は特に猛暑って言われてるのに…。
家にいれば冷房も効いてるしテレビもベッドもあるし。


わざわざ暑い所に行こうとする大地の気が知れなかった。



「でも……、今日小春と華凛ちゃんが2人だけでプール行ってんねん…。何かあったら心配やん?」






小春と華凛でプール…?


俺の気も知らないで。

あんなにぼーっとしてるくせに女2人で行くなんてナンパされに来たようなもんだろ。


何考えてんだアイツ……。






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