何度も…何度でも君に恋をする
「あそこにいるの小春やん」


諒が発見してくれて助かった。

いや、別に俺が言ったって構わないんだけどさ…。

何か……、何かな…。









木が横並びに生えてる日陰にアイツ等はいた。


小春も華凛も下にヒラヒラの巻く奴?…スカートみたいなのを履いてる。

華凛はパーカーを羽織ってて普通の服を着てるような感じだった。

つか、私服も見た事ないけどね。



バレないように深呼吸をして…。

ドキドキしてるのを隠すように……、あくまでも自然に…華凛の隣に腰を下ろした。

「新ちゃん!」





心臓をわしづかみするような笑顔。

太陽の下でその笑顔は反則だ…。



「何やねん……夏休み前半は無理みたいに言うとったくせに」


愚痴るなんて俺のキャラじゃないっつーの。

何で会って早々こんな顔させるんだよ。




女みたいな自分の態度に嫌気がして下を向いた。




…え……?





華凛の腕が伸びてきて俺の髪をすくう。

休みでワックスも何もつけてなかった髪は結べる位伸びてて、耳上あたりで結わかれた。


制服じゃないからかな……。

華凛が近づく度にドキドキが止まらねぇ。


女に触られるのなんて初めてじゃないくせに。

ドキドキし過ぎだろ……。



< 93 / 154 >

この作品をシェア

pagetop