49日間
それから私は一度も
悠平と連絡をとらなかった。
携帯の着信履歴に悠平の名前が連なる。
声が聞きたい。
顔が見たい。
そう思うのに、
何故か悠平を許す気にはなれない。
そのうちに悠平からの連絡は途絶え、
私たちの距離は離れていった。
そして、
いよいよ、卒業式――。
「ねぇ、彩海顔色悪いよ??」
友達の声に我にかえる。
「どうしたの??最近、変じゃない??」
「ううん、大丈夫だよ!!」
空元気で答えるが、
表情は固いまま。
それは自分でも分かる。
けれど、悠平と気まずいままの私は
何も答えをださない状態で
卒業式まで来てしまったことを後悔していた。