喫茶冬景色
「あんたぁ、もう二度と帰ってくるな!」
どうもな、彼女のママンはかなりヒステリックな人らしくて、夫婦喧嘩の真っ最中って感じだったな。
俺、そういう場面テレビでしか見たことなくてさ、えぇ!?こういう世界があるんだ?ってかなり見入った。
ウチも母さん強いけど、父さんそんなにひどい怒られ方しないからね。
「あんた、私のプリン食べたわね。」
って、そんな程度だよ。
バタンって扉が開く音がしたかと思うとかなり若作りした40代前半くらいの中年男が走って出てきた。
茶色に染めた長い髪にピアスの姿はサーファーっぽくて、
「おう?おう?お友達かい?やるねぇ!俺しばらく出て行くから家のこと頼むわ。んじゃな!」
そう言うと、そのまま階段を駆け下りて行ってしまったんだ。なんだか、台風のような人で、
一瞬にして
「あぁ、この人適当なんだ」
って思えるくらいのわかりやすい雰囲気。